ゴールデン☆ベスト 三善英史

三善英史 ゴールデン☆ベスト 三善英史歌詞
1.雨

作詞:千家和也
作曲:浜圭介

雨にぬれながら たたずむ人がいる
傘の花が咲く 土曜の昼下がり
約束した時間だけが 体をすりぬける
道行く人は誰一人も 見向きもしない
恋はいつの日も 捧げるものだから
じっと耐えるのが つとめと信じてる

雨にうたれても まだ待つ人がいる
人の数が減る 土曜の昼下がり
約束した言葉だけを 幾度もかみしめて
追い越す人にこずかれても 身動きしない
恋はいつの日も はかないものだから
じっと耐えるのが つとめと信じてる

約束した心だけが 涙によみがえる
見知らぬ人が あわれんでも答えもしない
恋はいつの日も 悲しいものだから
じっと耐えるのが つとめと信じてる


2.あなたが帰る時

作詞:千家和也
作曲:浜圭介

あなたが帰る時 船を選ぶのなら
私は名も知らぬ 港で待つわ
冷たい霧雨に 躰を濡らし
両手を すり合わせ 時間を待つわ
あなたの乗る船が 港に着いた時
我身を ふりかえり 初めて泣くでしょう

あなたが帰る時 汽車を選ぶのなら
私は人気ない ホームで待つわ
一番鳥が泣く 柱の影で
心の準備して 時間を待つわ
あなたの乗る汽車が ホームに着いた時
我身を ふりかえり 初めて泣くでしょう

悲しい 待ち呆気 もうじき終る
まっすぐ前を見て 時間を待つわ
あなたの乗る姿 この眼に見えた時
我身を ふりかえり 初めて泣くでしょう


3.円山・花町・母の町

作詞:神坂薫
作曲:浜圭介

母になれても 妻にはなれず
小さな僕を 抱きしめて
明日におびえる 細い腕
円山 花町 母さんの
涙がしみた 日陰町

母の姿を 島田で隠し
病気の僕を 家におき
作り笑顔で 夜に咲く
円山 花町 母さんの
苦労がしみた 日陰町

母と言う名の 喜びさがし
静かに僕を 見る目には
縋りつくよな 夢がある
円山 花町 母さんの
願いがしみた 日陰町


4.母さんの涙歌

作詞:神坂薫
作曲:浜圭介

母さんの好きな歌
涙の味がする
幼い日 子守唄
明るくやさしい 声枯れた
僕を育てる 苦労にそまり
母さんの 好きな歌
涙色して 悲しいなあ

母さんの笑う顔
淋しい影がある
幼ない日 頼よせた
きらきら輝やく 目が消えた
僕を守って 力がつきて
母さんの 笑う顔
泣いている様で つらいんだ

母さんの明日(あす)の夢
必ず咲かせよう
幼ない日 胸の中
話した幸福(しあわせ) 叶えよう
僕にすがって いついつ迄も
母さんの 明日の夢
きっと咲かせて あげたいな


5.少年記

作詞:吉田旺
作曲:中村泰士

下駄の鼻緒が 切れたとき
白いハンカチ 八重歯で裂いて
だまってすげて くれたヒト
あゝ くれたヒト
おねえさん〜 はつ恋屋敷町
そのあとぼくは オトナになりました
三月一日 花ぐもりでした

風邪で早引き した夕暮れ
庭の紫陽花(あじさい) 切り花にして
格子にさして 行った人
あゝ 行ったヒト
おねえさん〜 雨傘水たまり
あのあと何故か 逢えなくなりました
六月九日 梅雨(つゆ)さなかでした

上り列車を 待つぼくに
春にお嫁に 行くわといって
日記をそっと くれたヒト
あゝ くれたヒト
おねえさん〜 はつ恋白い息
あれからぼくは 無口になりました
明けて1月 細雪(ささめゆき)でした


6.美少年~森蘭丸

作詞:千家和也
作曲:冬木透

同じ散るなら いさぎよく
花と散りたい この命
燃える炎に つつまれて
我は男の 夢を見る
主は謡う 主は踊る
主は謡う 主は踊る
幸若舞の 幸若舞の 敦盛を

細いもとどり 前髪を
ほどく泪の ひとしずく
鳴るは寄せ手の 陣太鼓
我は男の 声を聞く
主は謡う 主は踊る
主は謡う 主は踊る
桜吹雪の 桜吹雪の 本能寺

たとえかなわぬ 戦(いくさ)とて
のちに伝わる 名を惜しむ
弓矢とる手は 細けれど
我は男の 道を往く
主は謡う 主は踊る
主は謡う 主は踊る
その名も悲し
その名も悲し 美少年


7.博多夜船

作詞:高橋掬太郎
作曲:大村能章

逢いに来たかよ
松原越しにヨー
博多通いの
アレサ夜船の 灯が見える
灯が見える

恋の夜船は
夜の間にかえせヨー
明けりゃ仇波
アレサ浮名の 波が立つ
波が立つ

波も荒かろ
玄海あたりヨー
かえしともない
アレサ未練の 船じゃもの
船じゃもの


8.細雪

作詞:谷昭志
作曲:浜圭介

死ぬほど好きと 今はただ
叫んでみたい あなた
過ぎ去る人は もう白く
冷たさだけが光る
雪よ降れ降れ
想い出連れて
幸せ薄い私でも
泣くことだけは辛い
雪が そして過去が
哀しみを 連れてくる

愛していたと 今さらに
こぼれて落ちる涙
かすかな希望(のぞみ) 抱きしめた
私も悪いけれど
雪よ降れ降れ
想い出連れて
あなたのために生きてきた
私に死ねと言うの
雪が溶けて 春が
すぐそこまで やってくる

雪が溶けて 春が
すぐそこまで やってくる


9.遠い灯り

作詞:山口洋子
作曲:四方章人

さよならね さよならと
別れ道まで来たけれど
この指がはなれない
何故なら恋だもの
灯りが見えるわ あの部屋に
あなたを待ってる 影がうつるわ
明日(あす)また逢えると 涙ぐむわたし

いつまでも いつまでも
忘れないわと眼を伏せて
ただ独り帰るのよ
何故なら恋だもの
泣き顔なおした 水たまり
知ってる人にも 顔をそむけて
切ない想いに 耐えているわたし

哀しいいたずら 別れぎわ
あなたはこよりの 指輪をくれた
はかない夢でも わたしにはいのち


10.わかれの夜道

作詞:千家和也
作曲:浜圭介

渡された傘の柄(え)に 温もりが少し残る
送られて外に出たら 今夜も雨模様
泊まっておゆきの ひとことを
聞きたい私の 気も知らず
肩を押す〜 好きなひと

振りむけば物陰で 白煙(しろけむり)タバコひとつ
送られて足が重い 巷の灯が赤い
今にも泣きたい この心
耐えてる私の 気も知らず
指を振る〜 好きなひと

すれ違う人はみな 倖せな顔をしてる
送られて独り帰る 夜道はまだ長い
も一度お側に 廻れ右
したがる私の 気も知らず
背を向ける〜 好きなひと


11.彼と…

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

たそがれが あの窓におりて来て
カーテンをむらさきに そめている
坂道の あたりまで出迎えに
行こうかと手を休め ふと思う
彼と くらしているこの部屋で
いつかは泣く日が 来るだろうか
カタカタとサンダルを 踏みならし
バスが着く時間見て 走り出す

街の灯を 肩寄せてみていたら
この人は何だろうと 感じるの
一年が 過ぎたのにまだ彼は
誰にでも妹だと 話してる
彼と くらしているこの部屋で
いつかは泣く日が 来るだろうか
ポロポロとわけもなく 泣けてくる
しあわせで頼りない 夜ふけごろ


12.愛のいさかい

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

安物でいいからと 指環をねだり
今朝も小さな いさかいをした
そんなものつまらない 見栄だと叱り
ぷいとどこかへ あなたは消えた
もしもこのまま 帰って来なければ
それはそれで 仕方ないでしょう
寝転んで見渡した ガラス窓の隅に
めずらしく青空が 小さく見える

指環など本当は ほしくはないが
なぜか一言 からんでみたの
こんなにももつれ合う 結果になると
誰があの時 考えたでしょう
もしもこのまま 終わってしまうなら
愛はなんて もろいものでしょう
寝転んで見渡した ガラス窓の隅に
めずらしく青空が 小さく見える


13.愛の千羽鶴

作詞:松本隆
作曲:竜崎孝路

この千羽鶴は 千粒の涙……
愛の願いも途絶えた今
北の海に流します
さよならそえて 流します
潮騒かすかにひびく 暗い夏の海で
一人泣きその悲しみを
一片(ひとひら)また一片(ひとひら)
たたんで作った 千羽鶴

つのる想いをこたえて泣き
北の空に飛ばします
さよならそえて 飛ばします
あなたをお慕(した)いすれば
ほほに紅がさして しまうのに
そのほほ紅も
一粒また一粒
こぼれる涙に 消されます

夕凪静まる浜で あなたの想い出を
抱きしめて そのさみしさを
一片また一片
たたんで作った 千羽鶴


14.薄化粧

作詞:たかたかし
作曲:浜圭介

昨日買った水差しを ベッドに置いて
枕カバーもとりかえて
湯かげんもみたわ
鏡にむかって 香水ふりかけ
あなたをむかえる 夜のうす化粧
時計の針ばかりを 見つめては
息をひそめ あなたを待つの

ドアの外に足音が 聞こえるたびに
すねた顔をつくるけど
通りすぎてゆく
ワインにほんのり 染まったこの目で
あなたに抱かれる 夜のうす化粧
今夜は乱れそうな 気がするの
髪をとけば 紅さえにおう

氷もとけたわ スープも冷めたわ
あなたにじれてる 夜のうす化粧
小窓を叩く風の 音にさえ
胸をつかれ 駈けだす私


15.麻衣子

作詞:たかたかし
作曲:吉田正

細い眉を なお細くして
好きよ好きよと すすり泣く
麻衣子 麻衣子よ
愛しい麻衣子
いのちを賭けても かわることなく
ああ 抱きしめていたい

白い肌を うす紅(くれない)に
染めた今夜を 忘れない
麻衣子 麻衣子よ
はじらう麻衣子
おくれ毛かきあげ 鏡に向かう
ああ 離したくない人

逢えばつらい 別れがつらい
愛の名残りが からみつく
麻衣子 麻衣子よ
きれいな麻衣子
ふたりで暮らせる 夢をみながら
ああ いつまでも愛を


16.君だけに恋をした

作詞:千家和也
作曲:浜圭介

ふるえる胸を 君だけに
触らせたいの 恋ごころ
君の心がほしいのさ
愛のささえがほしいのさ
花には水が いるように
僕は結ばれる 時を待つ

あふれる泪 君だけに
飲ませてみたい 恋ごころ
君の命がほしいのさ
愛の力がほしいのさ
鳥には羽根が いるように
僕は結ばれる 時を待つ

君の全てがほしいのさ
愛の光がほしいのさ
夜明けの陽の出 待つように
僕は結ばれる 時を待つ


17.白い想い出

作詞:谷昭志
作曲:浜圭介

白いから 好きでした
野菊の花が似合うから 好きでした
見えるでしょうか あの頃が
わかるでしょうか 今のあなたに
覚えています 名付けています
あなたと過ごした青春を
白い時代と 名付けています
笑顔と涙の青春を
白いから 好きでした
野菊の花が誰よりも 好きでした

白いから 消えました
野菊の花は雨の日に 消えました
あるのでしょうか あの頃が
ないのでしょうか 今のあなたに
覚えています 名付けています
あなたと震えた青春を
白い時代と 名付けています
笑顔と涙を織り混ぜて
白いから 夢でした
野菊の花はいつの日も 夢でした

覚えています 名付けています
あなたと震えた青春を
白い時代と 名付けています
笑顔と涙を織り混ぜて
白いから 消えました
野菊の花は雨の日に 消えました


18.すきま風

作詞:津田ゆうき
作曲:三木たかし

君だけが女ではないし
僕だけが男ではないし なんて
最近こんなこと 想うのです
二人でも淋しさはあるし
一人でも楽しみはあるし なんて
近頃こんなこと 考えます
君を抱きしめても 忍びこむ
このすきま風は 何だろう

愛だけがすべてではないし
夢だけがすべてではないし なんて
最近こんなこと 想うのです
昨日など何のことなくて
明日など黙っててもくるし なんて
近頃こんなこと 考えます
君を抱きしめても 忍びこむ
このすきま風は 何だろう


19.爪・ゆび・手のひら

作詞:麻生香太郎
作曲:あかのたちお

爪・ゆび・手のひら あなたの手
疲れたからだを 寄せあって
あなたの海を 聴きたい
ああ ことばで確かめる 愛よりも
からだで確かめる 恋がすき
爪・ゆび・手のひら 男の手
どうぞ このまま 眠らせて

だめ いや遊びよ あなたの手
逃げても逃げても くりかえす
あなたの波に 溺れたい
ああ やさしくつつまれる 愛よりも
はげしく憎みあう 恋がすき
だめ いや 遊びよ 男の手
あなた背中で 眠らせて

ああ ことばで確かめる 愛よりも
からだで確かめる 恋がすき
ユメ ウソ サヨナラ 男の手
そっと ひとりで 眠らせて
どうぞ このまま 眠らせて


20.ラッキー・レディー, アンラッキーボーイ

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
どこにも よくある話
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
だけど はなれられない
その時ぼくには 天使に見えたのさ
真赤なくちびる きらめくまつげ
すべてをつつんで すべてを許して
あたためてくれる
お前のことを
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
それからあとは アンラッキーボーイ

夜ふけの酒場で二人で酔いつぶれ
しらじら夜明けが来そうな町へ
もつれて出たのは 覚えているけど
その後はどこで どうなったやら
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
そのままずっと アンラッキーボーイ

陽気な天使も おしゃべりというだけ
やさしい心も 人がいいだけ
豊かなからだも 太っているだけ
セクシーな声も お酒のせいさ
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
それでもいいさ アンラッキーボーイ
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
どこにも よくある話
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイ
だけど はなれられない


21.おんな道

作詞:浜圭介
作曲:浜圭介

生れた時から みなし子で
親の顔さえ わからずに
夜に生まれて 夜に育った 女の姿
嫌なお客に せがまれて
男の枕に されながら
つくる笑顔も 生きるため

顔もわからぬ 親ならば
いっそ生まずに いてくれりゃ
夜に生まれて 夜に育った 女じゃないさ
強く生きても 逆もどり
誰が私を こうさせた
飲めぬお酒も 心のささえ

いっそこのまま 地の底で
そっと静かに ねむりたい
夜に生まれて 夜につかれた 女の姿
夢に見ました しあわせを
夢にさめれば むなしさが
強く生きよう 女の道を